B型肝炎のこれまでの経緯を教えてください

国の集団予防接種等が原因でB型肝炎ウイルスに感染した人は、現在では給付金という形で救済されることになっています。
現在の制度になるまでにはどのような経緯があったのでしょうか。
このページでは、国の集団予防接種等が原因でB型肝炎ウイルスに感染した人の救済の経緯についてお伝えします。

集団予防接種等によるB型肝炎ウイルスに感染した経緯

まず、そもそもなぜ国の集団予防接種が原因でB型肝炎ウイルスに感染するといった事態が生じたのでしょうか。
昭和23年7月1日に予防接種法が施行されます。この集団予防接種においては注射器を連続使用していたことが原因でB型肝炎ウイルスに感染する事態が発生しました。
昭和25年にはツベルクリン反応検査およびBCGにおいて注射針の一人ごとの取り換えを指導し、昭和33年にはその他の予防接種において注射針の一人ごとの取り換えを指導しましたが、注射筒の連続使用は昭和63年1月27日に一人ごとの取り換えが指導されるまで続きました。
その結果45万人以上と見込まれる多数の被害者が生まれました。

B型肝炎訴訟

平成元年にB型肝炎の患者5名が、国を相手に提訴し、平成18年6月に最高裁判所で国の損害賠償責任を認める判決がされました。
それ以降、B型肝炎ウイルスに感染した多数の人が国の責任をめぐって訴訟を起こすことになり、平成22年5月には原告団と国が和解協議を開始し、平成23年6月に基本合意書を取り交わして和解がされました。

給付金の支給が開始

平成24年1月13日、基本合意書に沿った内容となる、特定B型肝炎ウイルス感染者給付金等の支給に関する特別措置法が施行され、国の集団予防接種等によるB型肝炎ウイルスへの感染は、給付金の支給という形で救済されることになりました。
平成27年3月27日には、国家賠償請求における除斥期間である20年を経過した請求についての基本合意書(その2)が締結され、平成28年8月1日、20年の除斥期間経過後の請求についても一定額の給付金を支払うことになりました。

給付金の期限について

当初のB型肝炎の給付金の請求期限は、平成29年1月12日までとされました。
しかし、当初の被害者が45万人と推計されていたにもかかわらず、平成28年3月時点では約30,000人にとどまっており、この請求期限が令和4年1月12日まで延長されました。
期間を一度延長したのですが、令和2年10月末の時点で、請求をした人は82,000人程度にとどまっていました。
そのため、令和3年6月に特措法の一部が改正され、請求期限が 令和9年(2027年)3月31日まで延長されました。

まとめ

このページではB型肝炎の給付金の経緯についてお伝えしました。
B型肝炎の給付金を請求できるかもしれないとお思いの方は、弁護士に相談をしてみてください。