B型肝炎の給付金とは?

B型肝炎ウイルスに感染した方は、国から給付金を受領できる場合があります。
給付金を受給できる条件をお伝えします。

B型肝炎の給付金の対象者

昭和23年から昭和63年までに行われていた集団予防接種では、同じ注射器を連続して使用されていました。
これが原因で最大で40万人以上の人がB型肝炎ウイルスに感染したとされています。
B型肝炎の給付金は、集団予防接種によってB型肝炎ウイルスに直接感染した一次感染者と、一次感染者からの母子感染によってに感染した二次感染者に対して、病態に応じた金額の支払いがなされます。

一次感染者の場合

一次感染者の場合には次の5つの要件を満たす必要があります。

1. B型肝炎ウイルスに持続感染していること
2. 満7歳になるまでに集団予防接種を受けていること
3. 集団予防接種における注射器の連続使用があったこと
4. 母子感染でないこと
5 その他集団予防接種等以外の感染原因がないこと

二次感染者の場合

一次感染者である母親からの母子感染等によってB型肝炎ウイルスに持続感染した二次感染者については次の3つの要件を満たす必要があります。

1. 被害者の母親が上記の一次感染者の要件をすべて満たすこと
2. B型肝炎ウイルスに持続感染していること
3. 母子感染であること

一次感染者や二次感染者がお亡くなりになった場合、そのご遺族の方が対象者になります。

B型肝炎の給付金の認定

B型肝炎の給付金の対象者として認定されるためには、国に対して国家賠償請求訴訟を起こして、国との間で和解をする必要があります。
集団予防接種等によって感染した場合でも、母子感染をした場合でも、給付金の対象となるかを証拠に基づいて確認をする必要があります。

支給金額

B型肝炎ウイルス感染者に対する給付金は、病態によって以下の額が支払われます。

病態等 金額
死亡・肝がん・肝硬変(重度) 3,600万円
死亡または発症から20年の除斥期間が経過した死亡・肝がん・肝硬変(重度) 900万円
肝硬変(軽度) 2,500万円
20年の除斥期間が経過した肝硬変(軽度)  
(1)現在、肝硬変(軽度)で治療等をしている方 600万円
(2)(1)以外の方 300万円
慢性B型肝炎 1,250万円
20年の除斥期間が経過した慢性B型肝炎  
(1)現在、慢性B型肝炎にで治療等をしている方 300万円
(2)(1)以外の方 150万円
無症候性キャリア 600万円
20年の除斥期間が経過した無症候性キャリア 50万円

が給付されます。
その他、訴訟手当金として

・給付金の4%に相当する額の弁護士費用
・特定B型肝炎ウイルス感染者であることを確認するための検査費用

が支払われます。
また、特定無症候性持続感染者には

・慢性肝炎等の発症を確認するための定期検査費
・母子感染防止のための医療費
・世帯内感染防止のための医療費
・定期検査手当

も給付されることになっています。

まとめ

このページではB型肝炎の給付金についてお伝えしました。 B型肝炎の給付金は訴訟を起こすことで請求可能となり、弁護士費用についても一部が給付されます。
まずは弁護士にご相談ください。