B型肝炎ってどういう病気ですか?

B型肝炎とは

B型肝炎とは、B型肝炎ウイルス(HBV)に感染して発生する肝臓の病気をいいます。
感染したときの状態によって、一過性の感染に終わるものと、ほぼ生涯にわたって感染が継続するものに分かれます。
前者を一過性感染、後者を持続感染と呼びます。

症状・経過

B型肝炎の症状は、急性肝炎と慢性肝炎に分けられます。

B型急性肝炎の症状

感染して1~6ヶ月の潜伏期間の経過後に、

・全身倦怠感
・食欲不振 悪心
・嘔吐
・褐色尿
・黄疸

などの症状があらわれます。
これらの症状が出ても数週間で回復することが多いですが、中には激しい肝炎を起こして、生命を維持できない肝不全になる、劇症肝炎になることがあります。

B型慢性肝炎

出産時や乳幼児期において、B型肝炎ウイルスに感染し、持続感染した場合です。
生後数年~数十年間は、B型肝炎ウイルスが廃除されず、体内で共存する、無症候性キャリアという状態がつづきます。
免疫が発達してくると、B型肝炎ウイルスを認識して、体内から排除するために白血球などがウイルスに攻撃を開始します。
このときに、B型肝炎ウイルスに感染した肝臓の細胞も一緒に攻撃するため、肝炎が発症します。
80~90%の人が思春期以降と免疫が発達したときにB型肝炎ウイルスが少ない状態になり、肝機能が一生安定します。
残りの10%~20%の人が肝炎が持続する結果、肝硬変・肝がんとなってしまいます。

治療

B型肝炎の治療はどのように行われるのでしょうか。

B型急性肝炎

B型急性肝炎の場合には、抗ウイルス療法は行わず、自然にB型肝炎ウイルスが排除されるのを待ちます。
ただし、劇症肝炎が起きている場合には、核酸アナログ製剤の投与や、血漿交換、血液透析などの治療が必要です。
さらに肝炎が進行すれば、肝移植が必要となる場合もあります。

B型慢性肝炎

B型肝炎ウイルスに持続感染している場合には、IFN療法と核酸アナログ製剤によってB型肝炎ウイルスの増殖を抑える治療を行います。